【ネタバレあり】映画『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』考察 後編【マーシャドーとは何か?】


前回の続きです。

 

自分がこの映画見た時こう思ったんですよ。

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マーシャドーは何がしたかったの?」

 

どんな作品でも、悪役の魅力って大事だと思うんですよ。悪役に魅力がないと「主人公が活躍して、強い相手に苦戦して、工夫して、覚醒して、勝った!やったね!すごいね!」そんなを感じてしまいます。

 

で、この映画は、根本的には面白い部分しかないだけに、それを強く感じてしまいました。

 

僕はこの映画が納得いかなくて、これを2回見てパンフレットまで買ったんですが、作中の説明だとどうも納得いかない。

 

作中の説明で解釈してみよう

 

作中では彼はこのように説明されます。

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マーシャドーは影より導く者」だと。あと、「羽根が黒くなった時全てを閉ざし、全てを正す。」と。マーシャドー自身が伝承の一つのようです。

作中の説明で、ストーリー中の行動を説明するとこうなります。

 

虹の勇者を見極める役割を持っていたエンテイスイクンライコウ

そのエンテイマーシャドーは憑いていました。導く役割を果たすためですね。サトシを見つけたのでそこから「導く者」として憑いて行きます。

サトシに憑いていきなり悪夢を見せようとしますが、この時は失敗。

 

サトシがクロスに負けた後、マーシャドーはもう一度夢を見せようとします。サトシが精神的に不安定になっていたため成功し、サトシは悪夢を見ます。しかし、サトシにはピカチュウとの絆があったので自力で悪夢から脱出。サトシは一段と成長しました。

これはマーシャドーが与えた試練だったようですね。合格したようです。これ以降はサトシに向けて夢を見せません。

 

テンセイ山に登ったサトシはクロスと対面します。この時、マーシャドーはサトシ達の前に姿を見せました。しかし何もしません。この勝負まで含めてサトシに与える試練のようです。

クロスが羽根を奪い取り、黒く染まった羽根を発動します。ここでやっとマーシャドーは動き出し、羽根をさらに奪い取ります。

ここからマーシャドーの役割です。黒き羽根が使われたとき、全てを閉ざし、全てを正す。羽根の力もあり、全部破壊しました。全部勝ちました。

サトシが消えたところで、一通り役割は終わったので羽根は消滅。マーシャドーの出番も終了です。

 

 

こういう解釈で何が不満か?

マーシャドーは導く者→全然導いていない。

試練として夢を見せていた→ほんと?

マーシャドーの暴走→ここまでサトシの行動をずっと見てきた上で、黒い羽根が発動したからって全員殺しにかかるのはちょっとシステマチックすぎませんかね

 

 

…総じて、マーシャドーに自我とか目的意識とか、そういうのが微塵も感じられないところが気に喰わないです。ただ単に機械的に役割を果たしてるだけ。その役割も結局イマイチよくわからないし。

 

 

 

 

 

…そう、マーシャドーには明確な意思を感じられないんです。

 

 

むしろそれこそがマーシャドーの本質ではないでしょうか?

 

 

 


マーシャドーは影です。
では、影とは何でしょうか。
影とは悪でしょうか?

 

あらすじ考察・妄想編

 

ここから先は完全に妄想の話です。
作中のマーシャドーに関する説明を無視しています。
前編の考察とも一切関係ありません。



 

マーシャドーは影です。何かの姿を映すだけ、空っぽの存在です。形も、意思もありません。
彼は、何かが欲しかった。何かになりたかった。

 

そこで選んだのが、虹色の羽根です。ただの虹色の羽根ではなく、黒い羽根。これなら、ホウオウの力を手に入れることができます。「何かを手に入れる」ために黒い羽根を手に入れることがマーシャドーの目的になりました


そういうわけでカントーまでやってきたマーシャドー。彼は、ホウオウに近い存在であるエンテイに憑いていきます。ホウオウに出会えるかもしれません。


洞穴で偶然、虹色の羽根を持つサトシに出会いました。
後は羽根を奪うだけ…といきたいところですが、問題があります。
マーシャドーは空っぽ。悪でも善でもないので、持っても羽根の色が変わりません。これでは目的の「黒い羽根」が手に入らない。
そこで、マーシャドーはサトシに悪夢を見せて羽根を染めようとしましたが、うまくいきませんでした。

 

サトシがクロスに負けた後、ここを狙って夢を見せます。
しかし、サトシにはピカチュウが、仲間がいました。悪夢から脱出され、これも失敗。これでサトシに夢を見せるのは諦めます。

 

サトシとクロスがテンセイ山で戦う時に、再び出てきます。しかし、何もしません。
クロスが勝てば、羽根は黒く染まるでしょう。だから、クロスが勝つことを願うしかない。

 

クロスが羽根を奪い、羽根は黒く染まりました。ここでマーシャドーは動きだします。
羽根を奪い、ホウオウの力を使って暴走します。
手当たり次第に破壊を繰り返します。この破壊に、目的はありません。羽根を手に入れることこそが目的だったので。

 

マーシャドーによる攻撃でサトシは死亡し、ピカチュウは泣き出しました。この涙を見て、マーシャドーは踏みとどまります。マーシャドーに感情らしい感情が見える貴重なシーンです。


そして、黒い虹色の羽根は消滅しました。

 


つまり?

悪でも善でもない空っぽの存在だったマーシャドーが、ホウオウの力をなんとか手に入れました。それで何が満たされるわけでもなく、その力で意味のない破壊を繰り返すマーシャドーそんなマーシャドーがサトシとピカチュウの絆を知った。そうして、借り物の感情だった黒い羽根は消滅した。

 

彼は、何かを手に入れることができたんでしょうか。何かで満たされることができたんでしょうか。

 

その後、空っぽだったマーシャドーとは対照的な「夢を追いかけ続ける」ボンジイと共に空を眺めてエンディング。


まとめ

どうでしょうか、こう書くと『キミにきめた!』の第二の主人公こそマーシャドーという感じがしませんか?

ここまでの話は完全に考察というより妄想なので、別に信じなくていいです。根拠が全くないし。

 


実際のところは、前者の解釈と後者の解釈の折衷案くらいだと思います。あのマーシャドーの”無”っぷりと、ラストシーンのボンジイとの対比、あの辺が全く何の意図もしてないはずはない

 

 

 

 

 

 

正直今回の話は解釈としてちょっといきすぎてるとは思います。

 

ただ、マーシャドーのことが気になったんです。敵としてあまりにも空っぽすぎる。意思がなさすぎる。そういう風に考えてると、思いついた考察がこれでした。前編はおまけ。

 

 

 

 

『キミにきめた』はどうでした? 

ぶっちゃけこの映画は、思い出のシーンだったり、難しい演出面の解釈だったり、あまりにも視聴者側の感情に委ねる部分がちょっと多すぎると思いました。

自分はアニポケをそんなに見てないのでピカチュウとサトシへの思い入れには欠けてて、あんまりストレートに楽しめなかった。

こういう話を考えるのは楽しかった。

 

 

映画を2回見て、パンフレットまで買った結果としてそういう感想です。ありがとうございました。 おわり